自作PC 電源の選び方

2021年10月6日

電源ユニット交換

先日の記事でPCケースを新調した経緯を書きましたが、電源ユニットもついでに交換したので、選び方なども書いておきます。

電源のワット数

消費電力の多いCPUやグラフィックボードを使わなければ、通常は400~500Wもあれば十分です。
電源の変換効率が高い=電気代が安く済むのは最大出力の50%程度といわれていますので、そのあたりを目安にして、将来的にグラボの増設をしたりする場合はその分の余裕を持って選べばよいと思います。

ドスパラ 電源容量計算 システム構成選択

80PLUS認証

変換効率が80%以上で認証を受けた製品は80PLUSというロゴが付いています。
変換効率によってStandard、Bronze、Silver、Gold、Platinum、Titaniumとランクがあります。
変換効率が高いということは同時に発熱の低さ、部品のグレードが良くなるなど電源ユニット自体の寿命が長くなる効果も期待できます。
特にこだわりが無ければGold以上のランクを選べばよいと思います。

保証年数

電源は廉価品だと保証年数が1~3年、価格が1万円台前半くらいになると保証年数が5~10年という長期のものも増えていきます。
保証期間の長さが必ずしも電源ユニットの品質と比例するとは限りませんが、同じような製品で迷った場合は保証年数が長い方を選ぶというのも一つの手です。

品質と製造元

電源の品質の目安のひとつは日本製のコンデンサーを採用しているかどうかです。105℃と表記してあるコンデンサーができれば1次側と2次側両方に使われているものを選ぶほうがよいでしょう。

また、電源ユニットはOEMで供給されるものを自社ブランド品として販売している会社も多いので、OEM元がどこかを調べた上で選択する方がベターと思います。

OEM元を調べられるサイト
RealHardTechX
Cybenetics

全部の製品を自社で製造しているのはSeasonicとSuper Flowerくらい? で、ほとんどの製品がOEMというブランドもあります。

AcBel Polytech
Channel Well Technology(CWT)
Chicony Power Tech.
Delta Electronics
Enermax
Enhance Electronics
FSP
Fortech Electronics
HEC
Seasonic
Seventeam
Shenzhen Powatech
Solytech
Super Flower
Yue-Lin Electrical Technology

ケーブルとコネクター

電源ユニットを買った後にケーブルが足りない! などとならないよう事前にチェックします。
まずATXのメイン電源から。

ATXマザーボードのメイン電源は24ピンが多いと思いますが、20ピンのものもあります。
20+4ピンであればどちらも使えます。

ATX 20+4 Pin

次にチェックするのはCPU用のEPS/ATX 4+4 Pinコネクターの数。

EPS/ATX 4+4 Pin

機種によって異なりますが、おおむね500Wクラスだとケーブル1本(4+4)、600Wクラス以上だとケーブル2本(4+4 x2)以上になります。
マザーボードに8ピン/4ピンコネクターが複数付いている場合はその数に応じて選択します。

次にPCI Express 6+2ピンの数で、使用するグラフィックボードに応じて選びます。CPU内蔵のGPUを使う場合は使用しません。

PCI Express 6+2ピン

わりと見落としがちなのはSATA機器などに接続するコネクターの数。
650WでSATA電源コネクターが6個しかないとか、少なめのものもあります。
700Wクラス以下だとおおむねSATA電源がケーブル2本、コネクターがケーブル1本あたり3~4個、4ピンペリフェラルケーブルが1本(コネクター4つ)くらいのものが多いようです。

SATA電源

4ピンペリフェラル電源を使う機器は10年くらい前からほとんど使用されない状況だと思いますが、いまだに4ピンのコネクターが付属しています。

4ピンペリフェラル電源

4ピンを使う場合は変換アダプターを使えばいいので、SATA電源ケーブルを増やしてほしいと思うのですが、いまだにそうなっていませんね。
SATAのコネクターが足りなくなった場合は、4ピンペリフェラル→15ピンSATAの変換ケーブルを使えば増設できます。
規格の上では4ピンペリフェラルは+5Vと+12V、15ピンSATAはそれに加えて3.3Vがあるので、3.3Vが必要なSATA機器は変換アダプター経由では動作しません。ただ3.3Vが必要な機器は現在ほとんどないと思います(たぶん)。

比較表

今回購入候補にあげた電源。

Brand Manufacturer Series / Model / DUT Notes 80PLUS ATX/EPS12V SATA PCI-E ファン 保証 価格
Cooler Master Chicony Electronics V650 Gold MPY-6501-AFAAGV-JP Gold 2(4+4, 8) 8 4 13.5cm 10年 ¥11,480
Cooler Master Chicony Electronics V750 Gold MPY-7501-AFAAGV-JP Gold 2(4+4, 8) 12 4 13.5cm 10年 ¥13,644
Corsair Channel Well Technology RM750x CP-9020179-JP Gold 2(4+4, 4+4) 9 4 14cm 10年 ¥13,173
Super Flower Super Flower LEADEX III GOLD 650W Gold 2(4+4, 4+4) 6 4 13cm 5年 ¥12,000
Super Flower Super Flower LEADEX III GOLD 750W Gold 2(4+4, 4+4) 8 4 13cm 5年 ¥12,773
Thermaltake   Toughpower Grand RGB 650W Gold Full Modular Gold 1(4+4) 9 4 14cm 10年 ¥12,078
Thermaltake Sirfa / High Power Toughpower Grand RGB 750W Gold Full Modular Gold 1(4+4) 9 4 14cm 10年 ¥12,628

Super Flower LEADEX III GOLD 750W を購入

購入したのは Super Flower LEADEX III GOLD 750W。
比較対象の中では保証期間が5年と短く、ここはマイナスポイント。ただし希少?な自社生産品で、Amazonや価格comのレビューを見ると評価は高く、品質的にも問題なさそうで、価格は安めなのでこれに決定。
用途的には750Wもいらないのですが、650WだとSATA電源のコネクターが2つ少なくなって6個しかなく、価格差もほとんどないので750Wを選択しました。

開封

元箱
外観
右側にファンの切り替えスイッチ
ファンの表面にはリブがあります
フルモジュラー

使用してみた感想

まだ交換したばかりで安定性や耐久性は不明ですが、問題なく動作しています。
気になった点はふたつ。

ひとつ目はフルモジュラーのため、ATX24ピン用の無駄に大きいコネクターを接続することになり、ケーブルが根元で広がるためこれが結構ジャマになります。
ATXとEPS/ATX 4+4 Pin、SATA1本など、必ず使うものは直出しのセミモジュラーの方がいいと思います。

もう一つはSATAのコネクターの向きで、今まで使っていたENERMAXなどとはコネクターの向きが反対になっています。

Super FlowerのSATAコネクター。電源ユニット本体からケーブルを辿り、挿し込み口端の凸部が上向きになるようにコネクターが接続されています。
手元にあるENERMAXは逆で下向き。つまりコネクターの向きが写真と同じなら、ケーブルは上から来ています。

Super FlowerのSATAコネクターだと、縦に並んでいるHDDの上から下へ向かってSATA電源を接続することになります。
ENERMAXだと下から上に向かって接続していきます。

電源ユニットがケースの上に付く場合、上から下に向かって配線していく方がすっきりしますが、電源ユニットがケース下部にあると、上から下に配線することになり、ちょっとやりにくく感じます。
今まで十数個電源ユニットを買っていると思いますが、この向きになっている電源は初めてでした。


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自作PC

Posted by みつき