Keypirinhaの使い方
WindowsでもMacのAlfredのようなランチャーアプリを使いたいときの選択肢のひとつ、Keypirinhaの設定の備忘録です。
高機能っぽいのですが使い方がなかなか難しい...
使い始めてしばらくして、秀丸エディタや一太郎などがなぜか出てこないのに気づき、設定を調べてみても検索対象ディレクトリーの登録などが見当たらず...
とりあえずフルパスを入れてやって一回起動させれば覚えるということがわかりました。けっこう癖のあるアプリケーションって感じです。
Keypirinhaの読み方は、YouTubeで紹介している人の発音を聞くと、「キーピリーナ」や「キーピリーニャ」、「キーピリンハ」のような感じです。
ダウンロードとインストール
ダウンロードはこちら。現在はポータブル版のみ。
full-portable...64/32bit用が同梱
x64-portable...64bit用
x86-portable...32bit用
ファイルをダウンロードしたら解凍します。Lhaplusはエラーが出て解凍できないので7-Zip等で解凍。
解凍したら任意のディレクトリーに移動するなりなんなりと。
※Keypirinhaは、インストールモードとポータブルモードの2つの異なる仕様で動作させることができるようです。
Keypirinhaのディレクトリーの下にportableフォルダーが存在しないとインストールモードで実行され、\Appdata\Roaming下などに設定フォルダーが作成される?らしいです(試していないので詳細は不明)。
アップデート
Keypirinhaはいまのところインストーラー版がないのでアップデートは手動になります。
Keypirinhaのフォルダー内の「portable」というフォルダーを残してそれ以外を削除、解凍した新しいバージョンのKeypirinhaを上書きすればアップデート完了。
実行
keypirinha.exeをダブルクリックして実行。
使い方
ランチャー(LaunchBox)を起動(デフォルトはCtrl+Win+K)し、アプリケーション(実行プログラム名)やファイル、フォルダー名等を入力すると下に候補が表示されます。
設定の変更
KeypirinhaはGUIによる設定画面がないので、\Keypirinha\portable\Profile\User にある Keypirinha.ini を編集します。
タスクバー右のアイコンを右クリックし、Configure Keypirinhaをクリックすると、ふたつのNotepadウィンドウが開きます。
(またはランチャーを起動してconfigureと入力)
左側の設定例(Keypirinha.ini(Read-Only))を見て、右側のKeypirinha.iniに追記します。
文字が小さくて見にくい場合はCtrl++で拡大します。
右側の記述にはセクションのタイトルが必要です。
左側のオレンジ色のタイトル行をコピーして貼り付けるとオレンジ色の見出しになり、設定は同じセクションに記述します。
設定例
[app]
launch_at_startup = yes
hotkey_run = Ctrl+Space
hotkey_paste = Ctrl+Alt+Space
hotkey_history = Ctrl+Shift+Space
show_on_taskbar = no
[gui]
hide_on_focus_lost = yes
theme = ElectricStateColors
max_height = 10
auto_width = 20
設定の内容は以下の通り。
[app]
launch_at_startup = yes | Windows起動時に起動 |
hotkey_run = Ctrl+Space | ホットキーはCtrl+Space |
hotkey_paste = Ctrl+Alt+Space | Ctrl+Alt+Spaceでランチャー起動時にクリップボードを貼り付け |
hotkey_history = Ctrl+Shift+Space | Ctrl+Shift+Spaceでランチャー起動時に履歴を表示 |
show_on_taskbar = no | タスクバーに表示しない |
[gui]
hide_on_focus_lost = yes | フォーカスが外れるとランチャーを隠す |
theme = ElectricStateColors | テーマは”ElectricStateColors” |
max_height = 10 | 検索結果の表示行数 |
auto_width = 20 | ランチャーの幅 数字は画面の横ピクセル数に対してのパーセンテージ。 |
テーマ
テーマはランチャーの外観変更機能です。
theme
左側のNotepad(Keypirinha.ini(Read Only))にあるテーマ名をKeypirinha.iniの[gui]セクションにtheme = として記述すれば反映します。
※注 テーマ名は大文字・小文字を区別します
[gui]
theme = SolarizedLightColors
サードパーティー製のテーマもあります。
ダウンロードしたファイルを解凍してテキストエディター等で開き、Keypirinha.iniにテーマ名とテキストファイルの設定内容をコピーして追記すると反映します。
[gui]
theme = ClearLight
[theme/ClearLight]
# A color theme derived from:
# http://bege1.deviantart.com/art/theme-ClearLight-675936426
color_background = #cccccc
color_foreground = #666666
color_faded = #999999・・・・・
(ここは途中までです。解凍したファイルの内容を貼り付けてください)
透明度
表示を透過させたい場合は以下のように記述します。不透明度は20から100までの範囲で指定します。
[gui]
theme = Default
[theme/Default]
opacity_back = 75
Edgeなど UWPアプリの起動
Microsoft EdgeなどのUWPアプリはユニバーサルWindowsプラットフォーム(UWP)上で動作するので、従来のデスクトップアプリのようにexeファイルをWクリックするといった起動方法は使えず、ランチャーで実行ファイルを直接指定しても起動できません。
対症療法みたいな方法になりますが、ショートカットを作ればランチャーから起動することはできます。
Win+R > shell:AppsFolder > OK でApplicationsフォルダーが開くので、目的のアプリケーションを探してアイコンを右クリック > ショートカットの作成 で適当な場所に作成し、Keypirinhaから起動します。
パッケージ
作者さんによるとkeypirinha本体は簡単なGUIと検索エンジンで構成された単なるデータベースで、データ(カタログ)の供給はプラグイン(パッケージ)が担っているということです。
パッケージのいくつかは最初から同梱されています。
Shipped Packages
現在有効になっているパッケージは、タスクバーのアイコンかランチャーを 右クリック > Configure Packages から、もしくは、ランチャーに keypirinha config と入力して確認することができます。
そのままクリックすればConfigure keypirinhaと同じようにNotepadがふたつ開いて編集できるようになります。
編集した後はReload ConfigurationとRefresh Catalogのどちらかまたは両方の実行が必要な場合があるかもしれません。
不要なパッケージはkeypirinha.iniに下記のように追記すると無効化できます。
ignored_packages = Bookmarks, FileZilla, GoogleTranslate, PuTTY, TaskSwitcher, WinSCP, URL, WebSearch, WebSuggest
パッケージの編集
編集はkeypirinha.iniと同じように、ふたつ開いたNotepadの左側の説明や例を見て右側に追記します。
左側の*.ini(Read Only)は、行頭の#でコメントアウトされていない行は有効になっているようです。
filescatalog.ini(Read Only) ↓
候補に出てこないアプリケーションを追加する 1(パッケージを弄らない)
これは冒頭にも書きましたが、ランチャーを起動してフルパスを入れてアプリケーションを起動するとカタログに追加されます。
ランチャーが起動した状態でファイルをドラッグ&ドロップしてもOKです。
(フォーカスが外れるとランチャーを隠す設定にしているとD&Dできません)
候補に出てこないアプリケーションを追加する 2 (カタログを作成)
FilesCatalog.ini に下記を追加します。
〈sample 1〉
[profile/ExtApps]
activate = yes
paths =
C:\Program Files\**
C:\Program Files (x86)\**
filters = ext: .exe
〈sample 2〉
[profile/ExtApps]
activate = yes
paths =
C:\Program Files (x86)\**
C:\Program Files\**
inherit = ExeOnly
これはいろいろなやり方がありそうなのですが、プログラマーではない私にはわかりにくく、色々試して一番簡単にできた方法(行数が少ないという意味で)が上記のやりかたです。
アプリケーションによっては C:\Users\username\AppData\Roaming 等が実行ファイルのインストールフォルダーになっている場合がありますので、必要に応じてパスを追記します。
一応それぞれの行の役割を書いておきますが、試行錯誤中なので間違っているかもしれません。
[profile/ExtApps] | [profile/*]任意の名前で作成したプロファイル |
activate = yes | このプロファイルの内容をカタログに挿入できるようにする |
paths = C:\Program Files\** | スキャンするパス |
C:\Program Files (x86)\** | (パスは複数行も可。改行とインデントで区切る) |
filters = ext: .exe | 拡張子が.exeのファイルを含める ワイルドカードも使えますがやや遅くなるようです filters = *.exe (ext: はワイルドカードは使えません) |
inherit = ExeOnly | [profile/ExeOnly]を継承 |
※pathsを設定するとプラグインはそのディレクトリーを2回スキャンします。filtersを設定すると一回のスキャンで済みます。ここでは inherit = ExeOnly も結果的にfiltersを使っています。
〈sample 1〉と〈sample 2〉の違いは最下行だけです。
〈sample 1〉はフィルターを .exe 拡張子に限定していますが、〈sample 2〉は .vbs .wsf .cmd .wsh .js .exe .msc .com .bat .vbe .jse が対象になっています。
〈sample 2〉は最下行で[profile/ExeOnly]を継承しており、[profile/ExeOnly]の内容は filters = + ext: ${env:PATHEXT} で、env:PATHEXT はどこかで上記の拡張子が定義されています。
たぶん。
[profile/ExeOnly]は上の項でも載せたこれ ↓
〈sample 3〉
[main]
debug = yes
catalog_limit = 100_000
[profile/ExeOnly]
filters = + ext: ${env:PATHEXT}
[profile/ExtApps]
activate = yes
paths =
C:\Program Files (x86)\**
C:\Program Files\**
C:\Program Files (myApps)\**
max_depth = -1
inherit = ExeOnly
[env]
PATHEXT = .exe
これは得られる結果は〈sample1〉とほとんど同じですが、応用が利きそうなバージョン。
[main] debug = yes | デバッグモードをONにするとConsoleに処理内容が出力される |
catalog_limit = 100_000 | カタログに追加されるデータの制限(5,000~300,000の間) デフォルトは100,000 |
[profile/ExeOnly] filters = + ext: ${env:PATHEXT} | [env]のPATHEXTの内容をフィルターに設定 (filescatalog.ini(Read Only)に記載されているので変更が無い場合は省略可) |
[profile/ExtApps] activate = yes | このプロファイルの内容をカタログに挿入できるようにする |
paths = C:\Program Files (x86)\** | スキャンするパス |
max_depth = -1 | スキャンするディレクトリーの階層 スキャン不要なディレクトリーを含めないことでパフォーマンスが向上する デフォルトは-1で変更の無い場合は省略可 |
inherit = ExeOnly | [profile/ExeOnly]を継承 |
[env] PATHEXT = .exe | 拡張子等 (マニュアルを翻訳) 便宜上、Keypirinhaは自動的にenvという名前のセクションを定義し、設定ファイルが読み込まれた瞬間に見つかるすべての環境変数を設定します。 envセクションは、ロードされたすべての構成ファイルで定義されます(上書きされます)。 |
設定するときはConsole(ランチャーを右クリック > Open Console)を見ながら行うとよいと思います。
スキャンしないディレクトリーなど
Apps.ini でスタートメニュー等の既存ディレクトリーをスキャンをするか設定できます。
下記のデフォルトは全部yesです。
[main]
scan_start_menu = no
scan_desktop = no
scan_env_path = no
scan_start_menu | [スタート]メニューのファイルをカタログに追加する |
scan_desktop | デスクトップにあるファイルをカタログに追加する |
scan_env_path | (マニュアルを翻訳) プラグインがPATH環境によって指し示された実行可能ファイルをカタログ化する PATHEXT環境変数は、実行不可能なファイルを除外するために使用されます。 |
ホームディレクトリーの設定
よく開くディレクトリーは FileBrowser.ini に追記すると「~」を入力して開くことができます。
[home]
home =
C:\Users\username\Documents
C:\Users\username\Dropbox
特定のファイルマネージャーでフォルダーを開く
特定のファイルマネージャーでフォルダーを開きたい場合は、keypirinha.ini に追記します。
[external]
file_explorer = "C:\Program Files\HmFilerClassic\HmFilerClassic.exe" {{dir_or_parent}}
ディスカッション
コメント一覧
まだ、コメントがありません